ダイヤモンドの指輪を対象に、ハンマーで破壊実験を行った。

【二倍】 5回目の打撃でダイヤモンドが台座から分離。その直後、複製体は崩壊し、“二倍”の通常解除時と同じく泥状になって消滅した。

【複写】 同様に台座から分離したものの、その後も数分間打撃を加えて破壊を試みたが、ダイヤモンド本体に損壊は確認できなかった。

猫を対象に、生体の生成可否および操作性の確認実験を行った。

【二倍】 生成に成功。複製体は原本と同様の外見・挙動を示し、簡単な指示に従って行動させることも可能だった。

【複写】 生成不可。生体を対象とした場合、複写そのものが成立しないことが確認された。

銃器を対象に、弾を装填した状態で使用実験を行った。

【二倍】 通常通り使用可能だったが、数日後に複製体は崩壊し、“二倍”の通常解除時と同じく泥状になって消滅した。

【複写】 通常通り使用可能。3ヶ月経過後も形状を維持しており、弾を補充した上での継続使用も確認されている。

食料品を対象に、摂食実験を行った。

【二倍】 咀嚼が損傷判定となるらしく、口に入れて噛んだ時点で複製体は崩壊。“二倍”の通常解除時と同じく泥状になって変化したため、食用には適さない。

【複写】 咀嚼・嚥下ともに問題なし。味も原本と変わらず、通常の食料として摂取可能だった。3ヶ月間継続して摂取した被験者にも体重減少は見られず、むしろ体重は増加。血液検査等においても、初期値より健康状態の改善が確認されている。

 

 

 

「俺、日本経済の柱になるよ」

「その年からカフェイン漬けは長生きしねえぞ」

「正論」

 俺が先に死ぬと、パパも病み病みになってそのまま死ぬな……。俺が看取ってやらないとな……。
 その点に関しては素直に納得できたので、俺は義爛の言葉に大人しく頷くことにした。

 こんにちは、青少年です。

 特に大きな問題もなく、すこやかすくすくのびのびと成長して、今は……十四、いや、十五か十六とか。たぶんそこらへん。
 正確な誕生日が分からないし、俺の成長速度がなんか凄まじいので、もう何もかもが曖昧である。
 パパは三十路を超えたので、俺もたぶん、パパが俺を生成したくらいの年齢にはなっていると思う。戸籍も出生届も母子手帳もない人間の年齢管理は曖昧だ。

 最初に個性を発動させてから間もなく、闇医者ルートで“頼れる人間”として紹介されたのが義爛だった。

 闇のブローカー。実に頼もしい肩書きだ。素敵! 世間の荒波しか知らないパパと、いたいけな幼児というおしまいのタッグには、これ以上ない人選。
 なので俺たち父子とは、ガッツリみっちり密に交流してもらうことにした。
 ギラおじ、俺のベビーシッターになってくれ! パパに仕事をくれ! その代わり俺は、お前の持っているなんかやばいものを増やすアルバイトをします……。

 当時の俺はまだ幼児だったので、交渉材料は拙い言語能力と、懐いたぜ! お前に! という全力のかわいこぶりっ子しかなかった。しかし世の中には案外それで押し通せる扉がある。少なくとも義爛は押し勝てた。今思うと、子供を盾に交渉していたような気もするが、当時の俺は盾本人なので無罪です。
 あと俺が懐くとそれだけで自動でパパの信頼も付属してきたので、ハッピーセットだと思って欲しい。それはそれとして俺を通すとパパが一部思考停止になるのはどうにかしたい。どうにかできないまま今に至る。どうしような、これ。

 義爛、お前の持ってる宝石を好きなだけ増やしてやろう……お前の持ってる銃を好きなだけ増やしてやろう……なので俺たちに安全な寝床と仕事をおくれ……。

 俺の個性が、デメリットとして強い眠気を伴う以外、精神的にも肉体的にも後遺症が残るものではないということは、闇医者と義爛の協力によって分かった。
 分かってしまった、と言った方が正しいかもしれない。あまりにも犯罪に都合が良すぎる。

 俺がこうなのだから、当然パパの個性も犯罪に使いやすい。……が、パパは難しい悪巧みができない。衝動で動くタイプなので、計画の細部を詰めたり、金の流れを整えたり、誰を相手にどこまで踏み込むかを判断したりするのには向いていない。
 そういう頭担当は、全部義爛にやってもらうことにした。一度こうやって楽に稼げると、もうまともに働くのとか馬鹿らしいもんな。

 朝から晩まで必死に働いて、他人に馬鹿にされて、ペコペコ頭を下げて、それでも一回の強盗で稼ぐより安い金を必死にかき集めてくるの、やる気になんねえわ! とパパも言っていた。俺もそれでいいと思う。

 世間的には最低の思想なのだろうが、世間は古アパートの風呂場で泣きながら死のうとしたパパを助けてはくれなかった。

 なら、俺が優先するのは世間ではなくパパだ。

 ぐったりして、顔色が悪くて、精神がぐらぐらになっているパパよりも、たとえ返り血まみれであろうとも、笑顔で帰ってきて俺を抱きしめてくれるパパの方が、俺はずっとハッピーですのでね。

 そうして俺たちは、ギラおじというブレーンを手に入れた。ギラおじは、俺たち父子という便利な手足を手に入れた。計画を立てる人間と、実行する人間と、増やす人間。役割分担としてはかなり綺麗だ。Win-Winな関係ということ。

 自分の個性を調べるために、俺はまず飢えた子供に食事を与えた。
 俺が増やした食べ物は、本当に栄養になるのか。長期的に摂取しても問題はないのか。そういうことを確かめるには、どうしても食べる相手が必要だったからだ。

 ついでに、増やした銃も持たせた。この個性社会において、銃だけは平等だからだ。

 誰が持っても、等しく殺傷能力がある。無個性でも、個性持ちでも、身体が小さくても、力が弱くても、引き金の先にある結果は同じだ。“要らない”という扱いを受けた子供には、何故か無個性が多かった。なら、それを与えられる俺が“平等”を手渡したっていいだろう。世界が最初から公平にできていないなら、せめて自分を踏みつけにしてくる相手へ、同じだけの恐怖を返せるものくらい持っていてもいい。どう使うかは本人次第だ。個性だって同じことだろ。

 研究のお礼、という体裁。俺は利用した相手をそのまま放り出すほど薄情ではないし、そもそもこの世界は、俺が思っていたよりもだいぶ治安が悪い。
 “個性”という武器をほとんどの人間が生まれつき持っている状態で、俺と同じような出生の人間は、思ったよりも多かった。

 誰にも届けられず、誰にも数えられず、親の顔も本当の誕生日も分からないまま、腹を空かせて、寒さに震えて、路地裏やビルの隙間でどうにか生きている子供たち。
 福祉の網からこぼれ落ちた存在は、いずれヴィランと呼ばれる存在になり、ヒーローと呼ばれる存在に狩られる。順番が決まっているみたいだった。

 助けられなかった子供が、助けられないまま大きくなって、誰かを傷つける側に回った瞬間、ようやく社会はその子を見つける。そして悪だと名前をつける。
 そうなるまえに掬い上げる手は少ないのに、そうなってから罰を与える手は多すぎる。

 問題の根本解決をしない社会、嫌だなあ。こっちの世界でも無能だな、公安。いや、公安が管轄か知らないけど、前世公安に虐められたせいで今世も嫌いが継続しております。

 俺は運良く、情に厚いパパがいたから助かった。バケツに入れられ、古アパートの前に置かれて、野良犬に食われてもおかしくなかった俺は、パパに拾われた。パパは間違いだらけで、よく失敗して、精神もぐらぐらで、倫理の教科書からはみ出しすぎている人だけど、それでも俺を愛してくれている。

 だから俺は生きている。けど、俺と同じような存在の子供は、だいたい大人になる前に死ぬ。この世界には死体を消す個性だってあるし、なんなら俺だってそれくらい個性に頼らなくてもできる。
 消えた子供の数なんて、誰にも分からない。最初から数えられていない命は、失われても行方不明にすらならない。

 それって、だいぶ悲しい。可哀想だと思う。だから俺は、研究のお礼という体裁で、食べ物を与え、武器を与え、知恵を与えた。生き延びるためのものを渡した。世間がそれを正しいと呼ぶかどうかは知らない。ダメだったら止められるはずだけど、いまだに俺は止められてないのでたぶん無罪なんだろう。ヴィランネームはつけられたけど。

 考え込んでいると、「俺のコピーキャットちゃん!」という声と同時に玄関が開いた。嫌な予感がした時にはもう遅い。ソファに座り義爛と話していた俺は、勢いよく飛び込んできたパパに真横からなぎ倒され、「うわー」といつもの悲鳴をあげることになった。

「よう、おかえり」

 義爛は煙草をくわえたまま、特に助ける気もなさそうに片手を上げる。薄情。

 パパはソファに押し倒した俺の上に覆いかぶさり、「ただいま陽火! 今日もかわいいな! 顔がいい! 良すぎるな……歴代祖先の良いところだけ抽出したのか……? 神の……采配……! ちゅーしちゃお!! 可愛いから!!」と顔中にキスを降らせてくる。
 額、頬、鼻、まぶた、こめかみ。熱烈すぎる……。愛情表現が大型犬と災害の中間くらいある。俺はされるがままになりながら、隙をみてパパの頬に同じようにちゅっとキスを返してから、どうにかその腕の中から起き上がった。

「今日の仕事はカンペキに終わったぜ!」

 パパはそう言って、懐から何やらぐちゃぐちゃになった紙を取り出し、義爛へ差し出した。折れている。曲がっている。端が少し破けている。どう見ても重要書類の扱いではない。義爛はそれを受け取り、眉間に皺を寄せている。

「丁寧に扱えよ」
「無事貰ってきたからいいだろ!」

 逆ギレやめましょう、よくないと思う。義爛もそう思っている顔をしている。俺はソファの上で乱れた髪を直しながら、軽く手を上げた。

フォージャー偽造者です」

「コピーキャットの方が可愛いじゃんよお」

「可愛さで犯罪適性を表現しようとしないで」

「だって陽火、パパの個性に似てるし。コピーキャットちゃんじゃん」

「俺のは複写。偽造寄り。だからフォージャー」

 言葉の響きが可愛いだけで、コピーキャット真似っ子ちゃんは普通に悪口に入る単語なんですよね……。俺がなすがままに撫でくりまわされていると、義爛が紙束をめくりながら、「まあ、通り名なんざ勝手に広がるもんだ。本人がいくらフォージャーを名乗っても、親父が外でコピーキャットちゃんって呼び続けりゃそっちが残るぞ」と言う。
 要らん知識を与えるな。ちらりと横を見ると、パパはきらきらした顔でこちらを見返していた。これはもう外で呼んでいる顔だ。手遅れかもしれない。いや、一応公安の方ではこっちが登録されたっぽいし……。

 いや、パパひとりがどれだけ頑張って「ラブリーコピキャ♡」「俺のコピーキャットちゃん♡」と呼び続けても、まだ勝機はある。

 なにしろ俺には、俺が餌付けして玩具を渡した人達がいる。生き延びる方法を教えた子供たち。彼らは勝手に集まり、勝手にチームになり、勝手に拡大し、勝手に分裂し、その先々で「俺たちのボスはフォージャーくん!」と宣伝しながら暴れてくれている。たいへん頼もしい。別に正式にボス就任した覚えはないけど、まあいいや。名前を広めてくれるぶんにはありがたいので、強く否定する必要もないだろう。

 “ノーカウント”と名乗る不良少年少女のチームは、いまや二日に一度はニュースに出るくらい大きくなっている。

 もともとは社会に数えられなかった子供たちだ。戸籍がない。家がない。親がいない。あるいは親がいても、そこに帰れば殺される。そういう子供たちが、自分たちで自分たちを“ノーカウント”と呼んでいるのは、だいぶ皮肉が利いていて俺は好きだな。

 数えられなかったから、数に入れてもらえなかったから、こちらもお前たちのルールでは数えられないことにします、という宣言みたいで、なかなかセンスが良い。誰がつけたのか分からないが、世間的には俺が付けたことになっているらしい。すいませんね、そのセンスの良さ貰っときます。

 ニュースでは、彼らのバックにいる“フォージャー”というヴィランが、少年少女を洗脳し、武器を与え、犯罪へ駆り立てている恐ろしい悪魔のような人物だと語られている。怖いね……。誰のことだろうね……。

 俺はソファの背もたれに体を預け、テレビ画面の中で真面目な顔をしたコメンテーターが「未成年を利用した凶悪な組織犯罪」と断じるのを眺めながら、義爛の淹れたぬるいコーヒーを飲んだ。
 俺も一応未成年ですが、成人済前世の記憶もあるのでノーカンです。ノーカウント。

 パパも帰ってきたし、そろそろおいとまいたしますか……という空気を出した時、義爛が「今度、お前らに会わせたい奴がいる」と引き止めた。

 仕事の話だろう。義爛が改まってこういう言い方をする時は、だいたい厄介な人間か、厄介な仕事か、厄介な人間が持ってきた厄介な仕事のどれかだ。覚悟してくださいね、という丁寧な前振り。
 カレンダーを確認しながら「いつ?」と聞き、提示された日付を見て「あー」と声を漏らした。ちょうど予定がある日だった。

「その日、別日に回して貰えない?」

「お前、仕事でそういうわがまま言うんじゃねえよ」

 まあ正論である。正論ですが突然予定をぶち込んできたのはそちらなので、配慮をしてください。こちらにも事情というものがある。世間一般の未成年よりはよく働いてるんだから大目にみてくれやがれ。

「わがままくらい聞いてよ、俺はかわいい未成年ですよ。あと俺の予定ほんとにずらせない。今キャンセル入れたら最悪ボコボコにされる」

「誰にだよ」

「友達」

「友達にボコボコにされる予定を入れてんじゃねえ」

 なんて真っ当なことをいうんだ。でも俺が悪いことしないとたぶんボコボコにされるってことはないから、やっぱり予定ずらしていただけませんか? こっちの予定は1ミリもずらせない。1ミリずらしたら『俺様に嘘をついた罪』でリアル世界でボコられる危険が高い。やりかねない、という信頼が相手にはある。

 困っちゃった……という顔をしてパパを見ると、俺の肩を抱き寄せながら「普段わがまま言わねえ良い子だろうが! 許せ!! 俺が倍働きます!! 靴とか全然舐めれます!! よろしくお願いします!!」と元気よく頭を下げた。

 俺も隣で「お願いします」と頭を下げる。靴を舐めさせるのはやめてもらいたいけど、パパの働きで俺を許してください。

 義爛は煙草を咥えたまま、深く、深く溜め息を吐いた。こういう所が幼児の俺が押し勝ち出来たところだ。金が絡んでないと案外人がいいんだよな、ギラおじ。

「うるせえなこの親子。別日にしてやるから二人で喚くな。あと陽火はちゃんと武器持っていけよ。ボコボコにされて帰ってきたら、お前のパパはお前で宥めろ」

「おす」

「俺のハニーボーイをボコボコにしたやつはパパが手足引きちぎってやるからな」

「だからお前も喚くなって言ってんだよ」

 

 

 

 

 駄々を捏ねたおかげで、約束は破らずに済んだ。
 予定、すなわちオフ会です!! ネッ友のモンちゃんとは昔からネトゲで繋がっている年上の友達。性格にはかなり難がある人だ。すぐキレるし、口が悪いし、負けが込むと荒らしになる。
 俺は定期的に「バケモンだ……」とドン引きながらも子分として悪事の片棒を担がされている。世間的には悪人寄りの性質だけど、俺はモンちゃんのことが好きだった。

 俺だって世間から見れば普通に悪人として認識されているわけで、友人の性格が多少ひねくれているくらいで今さらどうって事ない。
 向こうも向こうで何か企んでいるらしいし、こっちもこっちで“ノーカウント”が俺の知らないところで勝手に大きくなっている。ただ、俺は組織のトップに向いていない。向いていないというか、向きたくない。前に出て旗を振るより、誰かの横か後ろに立って、必要なものを増やして、足りない部分を埋めて、面倒な現実を整えていく方が得意だ。補佐役の方が性に合っている。

 だから、これを機にノーカウントの権限をモンちゃんに譲渡したっていい。もちろん、モンちゃんがそういうものを欲しがるかどうかは分からない。
 そもそも会ってみたら想像と違う可能性もある。インターネット弁慶の人の良い可愛らしい女性がいる可能性だって全然ある。でも、あの、この前の雄英でのヴィラン襲撃事件と、その後の保須市の事件。あれ、首謀者、モンちゃんっぽいんだよな……。めっちゃくちゃ犯行予告と結果をゲーム内メッセージで報告してくれるから……多少の伏せがあっても察しちゃうんだよ。同じ穴の狢をしているから……。

 とりあえず、俺はお高いクッキーを片手に、場違いなほど上等な紙袋をぶら下げていた。目的地は──薬か臓器かの売買にしか使わないだろうと疑うような、不穏の塊みたいなバー。入口の取っ手に触れた時点で、「これ絶対騙されたろ」と半分以上確信していたが、それでも足を踏み入れた。

 途端、空気が湿った毛布のようにまとわりつく。
 本来なら感じるはずの酒の匂いはなく、代わりに漂うのは“見られている”という濃密な圧。視線という形を持たないものが、ねっとりと絡みつき、呼吸の奥まで入り込んでくるようだ。

 カウンター席で背中を向けていた男が、くるりと振り返った。
 数年間、昼間っからチャット越しに交流してきた相手は、もっとこう──薄暗い部屋で猫を抱えている偏屈なお姉さんだと信じて疑わなかったのに。
 現実にそこにいたのは、顔に手を貼り付けた白髪の男だった。

 細身の体を猫背がちに折り、こちらを見上げながら口の端を持ち上げる。チャットの文章に滲んでいた、軽口の奥に沈殿する重く冷たい悪意。

 気まぐれに人を弄び、どうでもいいことにだけ異様に熱中し、興味を失えば容赦なく切り捨てる。
 何年も画面越しに浴び続けた、あの腐食するような感触が──今、現実の空気を震わせて、目の前のこの男から立ちのぼっている。

「よう、『コピキャ』。待ってたぜ」

 淀みなく俺のハンドルネームを告げる、じゃれるような軽口。だが、響きは軽薄で空虚だ。カウンターの奥、霧のようなもので出来た頭を持つ男が、薄く笑いながらグラスを拭き、低く付け足す。

「ようこそ、ヴィラン連合へ」

 一瞬で理解した。
言葉じゃない。声でもない。
その不遜さと、目の奥にだけ浮く悪意の笑みを見た瞬間──これが「モンちゃん」だと分かった。
 画面の向こうで長年付き合ってきた相棒が、現実の悪党の姿で、手を伸ばせば触れられる距離に座っていた。

 とりあえず、あの──

「全面降伏します! “ノーカウント”進呈します!!」

「はあ?」

 あ、ノーカン目的じゃないかんじですか? まさか、普通に俺と遊びたかった……だけ……?

 

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