【機密書類k-2488at】

対象ヴィランネーム: フォージャー
関連組織: ノーカウント / ヴィラン連合
分類: 未成年者扇動、武器供給、偽造流通、組織犯罪中枢疑い
作成部署: 対ヴィラン広域連携調査班

 

対象ヴィラン“フォージャー”は、未成年者を中心とする非合法集団“ノーカウント”の中核人物である。

氏名、戸籍、出生地、年齢、性別、学歴、医療記録はいずれも未確認。公的記録上、対象と断定できる人物は存在しない。単独での行動記録もほとんどなく、現在得られている情報は、ノーカウント構成員の供述、接触者の証言、押収品、現場記録を照合して推定したものである。

対象像を不明瞭にしている要因は、本人が表に出ないことだけではない。ノーカウント内部には、フォージャー名義で接触、受け渡し、交渉、伝言を行う代理役が複数存在する。外見、年齢、性別、声、体格の異なる“フォージャー”の目撃情報があり、誤認ではなく、組織的な攪乱と見るべきである。

加えて、ヴィラン“トゥワイス”こと分倍河原仁が、他者の姿をした複製体を用いてフォージャーの代理を務めた疑いがある。接触相手が見た人物が本人か、代理役か、トゥワイス由来の複製体かは、現場証言だけでは判別できない。このため、対象の年齢、性別、外見に関する証言は、現時点で信用性が低い。

対象は前線型の戦闘員ではない。確認されている主な活動は、物資供給、偽造、武器流通、未成年者の組織化、思想誘導である。直接手を下す場面は少ないが、実行犯を作り、維持し、動かす側にいる。

対象は、食料、衣類、金品、寝床、武器を未成年者へ与えている。これを保護活動と評価してはならない。対象が与えているものは、社会復帰のための支援ではなく、犯罪集団への帰属を強めるための材料である。困窮した子供に生活物資を与え、名を与え、外部への不信を教え、最終的に武器を持たせている。

個性は、複製、複写、コピー、またはこれらに準ずるものと推定される。一度接触した物品を原本として記録し、同一または酷似した複製品を生成する能力と見られる。生体生成の確認例はない。現時点で複製が確認されているものは、銃器、弾薬、食料、衣類、日用品、宝石類。いずれも外見だけでなく、実用品として機能している。

複製品は通常流通品との区別が難しく、鑑定、押収品管理、証拠保全、流通追跡に支障が出ている。特に銃器は、製造番号や購入記録を追っても原本にたどり着くのみで、使用された個体の流通経路を確定できない。押収品が本物か複製品か、現場判断では判別困難な例もある。

食料品については、捕縛されたノーカウント構成員の複数が、対象由来のものを日常的に摂取していたと供述している。長期摂取の影響は不明。ただし、短期から中期では摂食可能な物質として成立しており、構成員の栄養状態から見ても、この点は認めてよい。

対象は個性を用い、金銭を介さない物資供給網を作っている。食料、衣類、医薬品、日用品を継続して与えられる者は、困窮した未成年者に対して強い影響力を持つ。対象はその効果を理解し、意図的に利用していると判断する。

ノーカウント構成員の大半は未成年である。戸籍不明、家出、虐待環境からの逃走、保護歴の途絶、学校や家庭からの排斥経験を持つ者が多い。対象は彼らを“数えられなかった子供たち”として扱っており、この呼称は組織名にも反映されている。

構成員は、社会、福祉、ヒーロー、警察、公安に対する不信が強い。本名を捨てる者も多く、“俺たち”“私たち”という一人称を好んで使う。個人として保護されることより、集団の一員であることを優先している。

組織内の序列は明確である。小集団ごとに独立して活動しているように見えるが、物資、武器、隠れ家、偽造品、資金源を追うと、対象に行き着く。対象が常に直接命令しているかは不明だが、供給源を握っている時点で統制は成立している。

代理役は、単なる囮ではない。物資の引き渡し、構成員への訓示、外部との交渉、捕縛時の撹乱、襲撃時の偽装撤退に使われている。中には、自分が“フォージャー本人”であるかのように振る舞う者もいる。同じ日に離れた場所で“フォージャー”が目撃された例、体格の異なる人物が同一の合言葉を使った例、外見が一致しないにもかかわらず構成員が各々を本人として扱った例が確認されている。単独犯として追うだけでは捕捉できない。

捕縛構成員への聞き取りでは、対象への感情が信頼や尊敬の範囲を超えている。

ある少女は、「『惜しみなく与えよ』って聖書に書いてたけど、“私たち”に惜しみなく与えてくれたのはフォージャーくんだけ。だからフォージャーくんって神様なのよ」と供述した。

同少女は保護監視中、対象との接触制限を“神様から引き離された”と認識し、精神状態を悪化させたのち自死。その後、ノーカウント構成員による報復襲撃が発生した。保護施設は一部破壊され、職員および警備員を含む死者三名、負傷者十七名。

襲撃に参加した少年の一人は、拘束時に「返してもらいに来ただけだ。勝手に奪ったのはそっちだろ」と発言している。

ノーカウント内部では、保護、聴取、矯正、隔離が“拉致”“再度の遺棄”“奪取”として扱われている。この認識は偶発的なものではない。対象が植え付けたか、少なくとも訂正せず利用している。

銃器について、ノーカウントは無秩序にばらまいてはいない。押収端末、現場証拠、構成員供述から、複数の“指導役”が存在することが分かっている。指導内容は、銃器の保持、分解、発砲時の姿勢、逃走時の廃棄判断、押収回避。一定の訓練を終えた者にのみ、対象由来と見られる銃器が与えられている。

未成年者の自衛という言い分は採用しない。実際に行われているのは武装教育である。対象は未成年者の恐怖と被害意識を利用し、殺傷能力を持たせている。

対象の年齢および性別は不明。当初は三十代後半から四十代の成人と見ていた。理由は、犯罪規模、物資流通量、偽造品の扱い、組織掌握、警戒心の高さである。しかし、構成員の供述とは合わない。

少年の一人は、聴取中に「フォージャーくんがそんな年寄りなわけないだろ」と激昂した。別の構成員は「大人っぽいからそうみえるよね」と話している。若年者の可能性は残る。

ただし、これらの供述をそのまま年齢推定に使うことはできない。ノーカウント内部では代理役がフォージャーとして振る舞っている。トゥワイス由来の複製体が関与している可能性もあり、構成員自身がどこまで本人を見ているのか不明である。

性別についても、男性とする供述、女性とする供述、少年のようだったという供述、声だけでは分からなかったという供述が混在している。服装や体格を隠していた例もある。証言の不一致は、意図的な攪乱の結果と見る。

対象は公安を強く敵視している。構成員の供述では、対象は過去に公安から攻撃を受けた、追われた、狙われた、という趣旨の発言を繰り返していた。ある少年は「ヒーローはまだいい。でも公安は駄目だって言われた」と述べている。

公安側の記録を確認したが、対象と接触した事例は見つかっていない。児童保護、未成年ヴィラン補導、密売摘発、偽造品摘発、無戸籍児童保護記録も洗ったが、該当者なし。対象の発言は作話の可能性が高い。目的は、構成員に対する公安不信の固定である。

ヴィラン“トゥワイス”こと分倍河原仁との接点は確認済みである。トゥワイスは対象を「俺のコピーキャット」と呼んでいる。呼称には親愛、所有意識、庇護意識が混在している。血縁を示す資料はない。分倍河原仁の年齢から見ても、対象が実子である線は薄い。個性の類似、犯罪上の弟子関係、疑似親子関係のいずれかと見る。

両者の関係は、単なる協力より深い。分倍河原仁は、対象の代理として動くことがある。本人が直接出られない場面で、トゥワイスが別人の姿をした複製体、または対象に近い人物の複製体を用い、交渉や受け渡しを行った疑いがある。対象の秘匿において、トゥワイスは有効な遮蔽物になっている。

対象自身の個性は無生物に限定されると見られるが、トゥワイスの個性【二倍】が加わることで、人物の代理、偽装、身代わり、目撃証言の攪乱が可能になる。物品の複製と人物の複製が組み合わさった場合、流通記録だけでなく人的接触記録も信用しにくい。

分倍河原仁との接点は古い可能性がある。分倍河原仁は十六歳時、勤務先で接触事故を起こし懲戒免職。その後、再就職したが、短期間で出勤しなくなり退職している。ヴィラン“トゥワイス”として活動を本格化させるまでの期間には空白がある。

再就職先の社長についても不審点がある。分倍河原仁の退職後、しばらく生存確認はされていたが、仕事をしていない、外部との接触が限定されている、関係者が本人の様子に違和感を覚えていた、という記録が残っている。その後、同社長は行方不明。分倍河原仁が同社長を殺害し、個性【二倍】で複製体を作成して死亡時期を偽装した可能性を調査中。

この空白期間に、分倍河原仁が対象と接触した可能性がある。保護、拉致、囲い込み、共同生活のいずれかは不明。

構成員は対象に関する情報提供を拒む。所在、外見、年齢、性別、接触方法について質問すると、黙秘、激昂、自傷、虚偽供述が起きる。ある少年は、対象の容貌を問われ、「目がふたつ、鼻と口がひとつずつ」とだけ答えた。その直後に舌を噛み切ろうとした。命に別状はないが、以降は黙秘している。

別の少女は、「助けに来なかった人たちに、助けてくれた人のことを売るわけない」と述べた。

代理役について質問した場合も反応は悪い。複数の構成員が、「フォージャーはフォージャーだ」「お前らには分からない」と答えている。本人と代理を区別する発想自体が、組織内では敵対的なものとして扱われている。

ノーカウントの報復行動は苛烈である。“報復”が宣言された場合、対象者の殺害、施設破壊、関係者襲撃、押収物奪還、捕縛構成員の奪還が続く。報復対象は直接の加害者に限られない。“私たちを数えなかった側”“フォージャーを悪く言った側”“奪った側”という括りで敵を作る。

対象本人が毎回指示を出している証拠はない。だが、構成員は対象の意思を先取りして動く。命令系統が見えにくい分、通常の組織より扱いにくい。

対象は現在、ヴィラン連合に加入したと見られる。これに伴い、ノーカウントも実務上はヴィラン連合側へ接続されたと判断する。内部反発は確認されていない。独自の帰属意識を持つ未成年集団が上位組織へ移る場合、通常は反発、分裂、離脱が出る。今回はそれが見えない。ノーカウントが従っているのは組織名ではなく対象個人である。

死柄木弔と対象の関係は未確定。協力、取引、上下関係のいずれかは断定できない。ただし、対象が連合内で担う役割は見えている。補給、偽造、資金化、未成年戦力の接続である。

対象が連合の後方に入った場合、ヴィラン連合は継戦能力を得る。銃器、弾薬、衣類、身分証、宝石類、保存食、医薬品、消耗品を継続供給できる者がいるだけで、活動期間は大きく延びる。

 

【現場対応上の注意】

対象を成人男性と決めてかからないこと。若年者、女性、または外見上未成年に見える人物である可能性がある。ただし、目撃された若年者や女性が本人とは限らない。代理役、またはトゥワイス由来の複製体の可能性を常に残すこと。

若く見えることを理由に危険度を下げないこと。対象はすでに未成年者の武装化、偽造流通、報復行動の誘発、ヴィラン連合への補給線接続に関与している。

拘束時は、ノーカウント構成員の面前で対象を侮辱、嘲笑、否定しないこと。対象への攻撃は、構成員には自分たち全体への攻撃として処理される。特に“奪う”“隔離する”“処分する”と受け取られる行動は、即時の報復を招く。

フォージャーを名乗る者を確保した場合、即座に本人確保と判断しないこと。体格、声紋、指紋、血液、所持品、複製品の生成可否、周辺構成員の反応を確認する。確保対象が代理役であっても、本人に近い情報を持っている可能性はある。

トゥワイスと同一現場にいる場合は、別手順とする。対象の拘束が分倍河原仁の精神状態を悪化させる可能性がある。加えて、現場にいる“フォージャー”がトゥワイス由来の複製体である可能性もある。現場判断で同時確保に踏み切らないこと。

対象は補助型ではない。前線に出ないだけで、組織を動かす側にいる。

姿を見せずに未成年者を動かし、武器と食料を配り、報復を成立させ、本人確認すら困難にしている点を最も重く見ること。

 

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