東京都 板橋区(20代女性)
火災現場から《あかり》のみを抱えて遺体で発見。
発火源と距離があったにもかかわらず逃げずに残留していたことから、強い執着による自発的留まり行動があったと推定。
北海道 旭川市(50代男性)
強盗被害に遭い、《あかり》の瓶を死守するため抵抗。
頭部に致命傷を負い、現場で死亡。
遺族は「瓶の中身を“光の子”と呼び、異常に愛着を持っていた」と証言。
愛知県 名古屋市(30代女性)
《あかり》を紛失した直後から完全緘黙状態に移行。
現在も医療機関にて保護されているが、他者の問いかけに一切応じず、手で空を撫でる仕草を繰り返している。
広島県 福山市(40代女性)
《あかり》を巡って家庭内でトラブル。夫が瓶を破壊したところ、妻がその場で昏倒、以後ほぼ植物状態に。
医師の診断は「急性ストレス反応および解離性障害」。
神奈川県 横須賀市(60代男性)
夜間徘徊中に「火を追っている」と言いながら車道に飛び出し、軽傷。
《あかり》を破損した翌日から幻想の火を目で追い続ける異常行動が確認されている。
千葉県 松戸市(30代男性)
SNSにて《あかりさま》に対する批判的発言を投稿後、信者から“不浄のもの”として頭髪を剃らされる暴行事件が発生。
被害者は「自分が間違っていた」と撤回するも、その後失踪。
宮城県 石巻市(20代前半 女性)
《あかり》をなくした翌日、自宅の天井に瓶の形を模した無数の紙ランプを吊るす行動。
近隣住民が異常を通報し、精神科へ収容。現在も幻聴が継続。
福岡県 久留米市(40代男性)
《あかり》を家族に壊された後、無言で家中の家電と照明を破壊し、自室に火を放つ。
本人は軽傷だが、精神鑑定の結果「あかりの存在喪失に伴う一時的失見当」と診断。
新潟県 上越市(60代女性)
瓶の中の《あかり》を亡き孫の生まれ変わりと信じていた。
神棚から落下・破損したことをきっかけにほぼ24時間眠らなくなり、飲食を拒否。
体重が20kg以上減少、介護認定へ移行。
京都府 宇治市(30代女性)
自身の持っていた《あかり》を奪おうとした知人に対し、カッターで切りつける事件発生。
逮捕時に「彼女は私の命を奪おうとした」と供述。責任能力を巡り精神鑑定中。
青森県 弘前市(19歳男性)
母親が《あかり》を誤って割った直後、自室の壁に「光を返せ」と10回以上書き殴る。
家族の説得にも応じず、そのまま8日間断食と黙祷を継続し昏倒、いまだ意識回復せず。
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国家公安委員会・特異個性対策部門
【特記個体識別・報告抜粋】
近年急速に信者を拡大している非公認宗教団体《あかり教》において、信仰の対象となっている“あかりさま”なる実体不明の存在について、当局は以下の通り判断する。
信者間で共通して語られる人物像は、《ほのお》を分け与える慈愛的存在であり、精神安定・価値観変容を引き起こす個性を持つ人物と推察される。
信者が命を賭して《あかり》を守る行動を取るなど、著しい依存・自己犠牲傾向が観測されており、重度の精神影響型個性による集団洗脳の可能性が高い。
現時点で“あかりさま”の身元・年齢・所在は不明であり、明確な個人と確認されていないが、複数の事件現場における共通証言・映像記録・信者の言動を踏まえ、公安は当該対象を「個性を核とした新型ヴィラン」として認定する。
ついては、当局において当該個体に対する識別呼称を以下の通り決定する。
指定ヴィランネーム: 火継(ヒツギ)
区分: 精神影響型ヴィラン(実体未確定)
備考: 「あかりさま」として信者が語る伝承、および炎媒体を通じた影響力の継続性に由来し命名。現時点では象徴的・象徴個体扱いとする。
以降、当該名称をもって行動記録・信者ネットワークの追跡・構成員再教育を進行する。
今後実体が判明した際には、該当個体の身柄確保または排除を最優先とする。
国家公安委員会
特異個性対策局
令和〇年〇月〇日
