町の人々

深夜バイトのサトウサン
個性:蟲住(むしずまい)
一見すると普通の青年に見えるが、体内には無数の虫型の分裂器官を宿している。
その影響で本人の意思に関係なく皮膚の下が蠢き、口内からは小さな『蟲』が這い出てくることすらある。
そうした異形の兆しを他人に見られることを恐れ、自然と集団生活を避けるようになった。深夜バイトはワンオペで誰も自分を気にしないから好き。最近親が送ってきた荷物の中に『あかり』が入った綺麗な置物があって間接照明にして気に入ってる。炎っぽいけど郵送されてきたし、たぶん本物の炎じゃないんだろうな。

騎士みたいなお兄さん　九鬼結人（28）
個性:透見
対象の感情の“向き”と“濃淡”を視覚的にとらえる個性。
誰が誰に好意・不信・関心を抱いているかを色や風のような流れで知覚できる。
子供の頃から強い正義感と他者への共感力を持ちながらも、不器用さと正義への盲信が空回りし、「余計なことをするな」と疎まれて人間関係を崩壊させてきた。
大人になってからは人との距離を慎重に測るようになったが、それでもなお『誰かの役に立ちたい』『認められたい』『喜んでもらいたい』という、子供のようなまっすぐな“正義”の理想を手放せずにいる、誠実で繊細な男。自分のためには泣かないが、人のためには泣ける男。