すれ⇆ちがい③

遮木兎丸の日記

20××/××/××

日記のページがまたあいてた。たぶん前に書いたの、けっこう前だと思う。まあいいや、今日は書きたい日だから書く。
今日は放課後、焦凍と遊んだ! やった!

最近はだいたい放課後になると、ドンちゃんとかケータとサッカーしてる。クラスが変わっても一緒に遊べる友達がいるってうれしいよな。
焦凍はあんまり人が多いところが好きじゃないし、騒がしいのも得意じゃないから、二人のほうが落ち着くらしい。俺はどっちでも楽しいけど、焦凍が楽そうにしてるならそれでいいかなーって思う。

今日は、特に前から約束してたわけじゃないけど、焦凍が「今日は一緒に遊べる……」って言ってきた。なんかちょっと言いにくそうだったから、すぐ「じゃあ遊ぼ!」って言った。他のやつらと約束してたけど、今日は焦凍優先。だって焦凍と遊べる日はそんなに多くないし、焦凍が自分から言ってくるのはけっこうめずらしい。

案の定、みんなに「えー」って言われたけど、「ごめん、今日は焦凍と遊ぶ」って言ったら、「しかたないなあ」ってすぐ引いてくれた。焦凍がいつもいそがしいってみんなわかってるから、こういう時ユウズウきかせてくれるんだ。優しいやつらだよな。

焦凍は「くすぐり遊び」が好きだ。本当はくすぐったいのは苦手なんだけど、あの遊び自体は好きらしい。最初にやった時から、なんか毎回楽しそうだし。いつもあんまり表情変わらないのに、これやるときだけたくさん笑うから俺も楽しい!

帰り道とかにふざけてやると、焦凍はすぐ地面にぺたんってなっちゃう。くすぐったいのに弱いから、力が抜けちゃうみたいで、歩きながらやるのは危ない。前にそれでしゃがみこんじゃって、「あぶな!」ってなったから、それからはちゃんと俺の部屋で遊ぶって決めてる。二人だけで、座ってできるときだけ。これは約束。

俺はいつも焦凍をみて、ぽんたと同じ感じだなって思う。
ぽんたも、なでなでされるの好きだし、いっぱいなでると、離したときにすごい勢いで喜ぶ。焦凍も、だいたい同じ。俺の個性、けっこう危ないらしいから、こうやって喜んでもらえるとうれしい。
手のひらで喉をなでなでして、しばらくしてから合図する。突然やるとビックリしちゃうから、ちゃんとカウントダウンした! ごー、よん、さん、に、いち。「ぜろ!」って言った瞬間、焦凍がすごい声出して、体の力が全部抜ける。毎回びっくりするけど、ちゃんと支えてるから大丈夫。
今日も立ってられなくなって、俺のベッドに座ってたのに前に倒れそうになった。「あぶな!」って言いながら支えたら、焦凍が俺に抱きついてきた。くっつくと、なんか落ち着くみたいだ。あったかい。

焦凍は、くすぐりが終わったあと、しばらくぼーっとする。息も荒くなるし、声も変になる。たぶん、くすぐったいのが苦手すぎて疲れるんだと思う。だから俺はいつもタオル用意してる。よだれも出るし、顔も赤くなるし、放っておくとそのまま寝そうになるから。でも「気持ちいい」って言ってるから、たぶん整体とか、そういうかんじ? なんじゃないかな。とーさんも整体いくと「いてーー!」っていうのに、終わったら気持ちよかったっていうし。

途中で、焦凍が犬みたいな声出し始めたのはちょっと笑った。犬なの? って聞いたら、また鳴いた。焦凍、たまに変なことする。
でも、別に嫌そうじゃないし、むしろ楽しそうだから、まあいいかって思った。「犬の真似うまい」って言ったら、ちょっと嬉しそうだったし。

そのまま一緒にベッドに倒れて、しばらく休憩。焦凍はそのあと、急に静かになって、俺の腕に顔くっつけてた。眠いのかなって思ったけど、起こすのもかわいそうだから、そのままにした。そしたらいつのまにか俺の方が寝てた。焦凍は知らないうちに帰ってたみたいで、かーさんに挨拶してたって。なんだよーって思ったけど、焦凍は忙しいからしかたない。逆に、「あんた友達来てたのに一人で寝てるとかダメじゃん」ってかーさんに叱られた。たしかにってかんじだ。明日あやまろーって思った。