世界で一番超絶可愛い俺のザングース

某月某日 俺のザングが可愛いので世界から貧困は消える

知人から「数日間だけヒトモシを預かってくれ」と懇願され、今までずっとザングース一筋だった俺のもとに、期間限定でヒトモシがやってきた。普段からザングのサイズ感に慣れきっているせいで、実物を目の前にした瞬間、想定外のミニマムさに脳を焼かれた。ちっちゃい。なにこれ。ちっちゃい。「ちっちゃいウフフ! かわいいウフフ! 」とか言いながらしゃがみ込んで、ちょこちょこ動くヒトモシを眺めていた。悪気はなかった。本当にただ、いつも見ているザングと比べてあまりにも小さかったのでテンションが上がっただけである。ところが、その日の夕方くらいからザングースの様子がおかしい。いつもなら俺が飯の準備を始めた時点で当然のように寄ってくるのに来ない。呼んでもちらっと見るだけ。好物を出しても食いつきが悪い。そのうえ気づけば部屋の隅に座り込んで、壁の亀裂をじっと眺めている。何があるのそこ。俺にはただの亀裂にしか見えないんだけど。名前を呼んでも振り返らず、肩を落としているようにすら見えてきたので、さすがに心配になった。

翌日になっても食欲が戻らないので、これはいかんとポケセンへ連行することにした。しかし当のザングは行きたくないらしく、床に踏ん張って動かない。仕方なく胴体を抱え、「はいはい病院行こうねー」「やだじゃないよー」と引きずりながら連れていった結果、診察を終えたお姉さんから返ってきた言葉が「幼児返りですね」だった。幼児返り。ザングースが。俺のザングが。どうやら突然やってきた小さいポケモンを俺がちやほやしたせいで、ザングなりに思うところがあったらしい。食欲が落ちたのも、妙に無気力になったのもそのせいだという。そんなことある? あるらしい。俺は診察室でザングを見た。ザングは俺を見なかった。完全に拗ねている。俺が「ちっちゃいかわいい」とはしゃいでいた横で、こいつは一人静かに傷ついていたのである。ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ。お前はデカくて可愛いんだよ。

帰宅後は反省会を兼ねて、ヒトモシと一緒にザングを全力であげぽよする会を開催した。「ザングかっこいい! 」「ザング今日も毛並み最高! 」「その爪めちゃくちゃ鋭そう! 」「世界一可愛い! 」と褒めながら撫で回し、ポフレを献上し、ヒトモシにも横でぱちぱち拍手係をしてもらった。最初こそ「今さら何だよ」みたいな顔をしていたザングも、しばらくすると露骨に機嫌が直ってきて、最終的には俺の横へぴったりくっついて座っていた。ただでさえ天使のザングースが、嫉妬というデレまで覚えて俺のハートを狙い打ってくる。こんなの反則だろ。可愛いが過ぎる。ザング……恐ろしい子……!

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